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大橋JCTにおける拡声放送実験

こんにちは。

首都高の須長です。

 

山手トンネルには防災の観点から、拡声放送スピーカーがついているのはご存知ですか?

【赤枠が拡声放送スピーカー】

 

このスピーカーは発災時に稼動する防災機器で、トンネル内の状況をドライバーへ情報伝達します。

これは山手トンネル4~5号でも設置されており、音声を明瞭に伝達できるように、時間遅延技術

が採用されています。

時間遅延技術とはスピーカーから出る音声を各々の場所で時間差をつけること。

トンネル内は閉鎖空間の故、音が響いてしまう特性があります。

この状況で音声を流すと、音と音が重複(エコーのような状態)してしまい、聞き取りにくくなってしまいます。

そこで、各スピーカーの発信音に時間差をつけることで、音と音がうまく重なり明瞭に聞こえる仕組みです。

この仕組みは東京大学名誉教授の橘先生の指導の下、研究を進めてきました。

(橘先生は音響学会の会長も勤めた、”音”の世界ではトップの方なのです)

 

さて、今回は大橋ジャンクション(以下 JCT)の拡声放送スピーカーの実験を行いました。

実はこの大橋JCTの特有な形が音声を流す上ではとても厄介な形状だったようです。

スピーカーは車道へ向けて付けられているため、音が壁から跳ね返ったり、音がループ内に沿って残響

する(先生は”ささやきの回路”って言っていました)など、幾つかの問題点がありました。

この研究を一昨年の夏から1/30の模型でシミュレートしたり、現場での検証実験を重ねました。

 

その結果、スピーカー自体を改良することで改善できることがわかってきました。

それが、これです!

 

横から見ると・・・

 

これは通常のスピーカーにアタッチメントをつけて音の指向性を向上させています。

これまで重ねてきた研究でスピーカーの背面(後ろ)方向へ伝わる音圧レベルが大きいことがわかり、

その音をなるべく消すように設計されたスピーカーなのです。

 

前置きが長くなりましたが、今回の実験は改良スピーカーを現地に取り付け、時間遅延技術を組み込んだ

状態で、実際に現場で確認するものでした。

 

聞いた結果は・・・

驚くほど、よく聞こえました。

特にスピーカーの後方にまわると音が小さくなっていることが確認でき、改良型にした効果を感じることが

出来ました。

 

音響の分野は、今まで携わったことがありません(私は土木ですから)でしたが、とても奥の深い世界でした。

そして、私達が普段気にならない所に色々な”音”の技術が取り込まれていることもわかりました。

今回、一緒に研究して頂いた橘先生を始め、東大生産技術研究所の皆さん、ありがとうございました。

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